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僕のヒーローサルモネラ

[ウミガメのスープ]

サルモネラ・エンティティディス。

忌み嫌わし細菌は、その日。シェフのピンチを救ったのだ。

一体なぜ?


出題者:
出題時間: 2017年11月7日 22:25
解決時間: 2017年11月7日 22:47
© 2017 アシカ 作者から明示的に許可をもらわない限り、あなたはこの問題を複製・転載・改変することはできません。
転載元: 「僕のヒーローサルモネラ」 作者: アシカ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/104
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武装した強盗団に襲われたレストラン。

凶悪なヴィランどもが立てこもり始めてから、数時間が経過していた。

外から覗かれないよう窓は締め切られ、熱さで脱水症状が出かかっている方もいる。



このままではお客さまの命が危ない。



彼らを救おうとしたシェフは、ふと、調理用に台所へ放置していたウミガメを思い出した。

おりしも季節は夏。食中毒のシーズンである。

一か八か。三ツ星レストランのシェフとしてのプライドをかなぐり捨て、彼は賭けにでることにした。





シェフ  「みなさま。お腹が空いていませんか?よろしければ当店一押しのウミガメのスープを提供します」

ヴィラン 「…見張りを立たせる。妙な真似をしたらぶっ殺すからな」





ヴィラン 「おい、お前が先に食え」

シェフ  「かしこまりました…ほら、何ともないですよ」





ヴィラン 「おお、うめぇじゃねぇか。」

ヴィラン 「お前だけは生かしといてやるよ。hahaha」





ヴィラン 「おぇ…腹がいてぇ…ゲボロロロ」「ゔぉぇろろろろ」「うぉぷっうェオロロロ」「ヴォォォェェ………(シーン)」



シェフ  (読みは…当たった…奴がいたんだ…そう…ウェプッ)







サルモネラ「私が来た!!」








シェフ  「さぁ、彼らが弱っているうちに逃げてくだゲボロロロ」



こうして強盗団が急性胃腸炎で苦しんでいる間に、店内に取り残された人たちは店を脱出。

機動隊が突入し、ゲロにまみれた強盗団を無傷で確保した。シェフに機転によってお客様の命は救われたのだ。



救急車で搬送される途中、食中毒による嗚咽と、料理人として最低なことをした後悔で、シェフは顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。



しかしオーナーは彼をクビにすることはなく、マスメディアもシェフを責めることはなかった。

退院した翌日、最後に別れを告げようと職場へ向かったシェフは、店からあふれんばかりのお客や、ともに働いていた従業員が、笑顔と拍手で迎えてくれたのをみて呆然とした。






サルモネラ「君はヒーローになれる」






あの日の細菌の幻聴が聞こえた気がしたシェフは、自分を救ってくれたオーナー、お客、そして多くの人々の優しさを感じて涙ぐんだ。

そして彼はそっと目元を拭い、泡立てたスポンジで台所をピカピカにしたのだった。


出題者:
参加するには または してください
パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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Cindy