終電がなくなってから帰る時はタクシーが便利だけど、私の職場と自宅の間には有名な心霊スポットがあるため、運転手に行き先を告げるとイヤな顔をされることがよくある。
特に静かな雨の日はなおのこと、運転手がミラーで頻繁にこちらの様子を伺ってくるのがわかる。
失礼な・・・とは思うけど、深夜に黒っぽい服装の若い女性客を警戒する気持ちはわからないでもない。
私も仕事疲れで、表情も受け答えも暗めになっているだろうし。
今夜も深夜帰宅になりそうだったので、同僚にこの話をして愚痴ったところ、「タクシーに乗る時、こうすればいい」とアドバイスしてくれた。
余分な費用はかからず、普段使わないアイテムも愛想笑いも一切不要。
なるほど、これならイヤな顔をされずに済みそう。
さて、同僚のアドバイスの内容とは?
*Q6 桂埜さんのリサイクルです。
転載元: 「【雨ますか?リサイクル】take me for a ride, ride」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10407
*すっぴんで乗れ。(その心霊スポットと関連してるのは「美女」だからな)
「あ?何それ?自慢かよ?」
ヤンデレ小悪魔系コンカフェの口の悪い同僚、エミナに愚痴ったらそう返された。
「ひどっ!!こっちこそ何それだよ。ほんとに困ってるのにぃ」
「これ読め」
そう言うと、エミナはスマホを投げ渡してきた。
「なに…あー、例の心スポの話?
…近隣で、自殺したモデルのレイカ似の、色白で掘りの深い、目の大きな若い美女がタクシーを停めると…」
「言いたいことは分かるな?」
「は?」
「メイク落としてからタクシー乗れ。
どーせ帰って落とさなきゃいけないんだし、別に家で男が待ってるわけでもないんだろ?」
「…(反論できねえ)」
以後、タクシーに乗って嫌な顔をされることはなくなった。
ミラーでちらちら見られなくなったし。
店の外でまで愛想笑いしなくて良くなったし。
帰ってから速攻寝られて楽だし。
ただ、何かを失った気がする。