9月のある日、大学の友人同士、高槻摂と甲東園美也、逆瀬川雲雀は、3人で勉強をしていた。
「逆瀬川〜 lotteryってなんだっけ?」
「高槻、英語でわからへんことあるとすぐ雲雀に頼んのやめときや〜」
「えーよな 甲東園も帰国子女やから英語できるんやろ? 俺語学でけへんから」
「ごめーん ちょっと私今手離せないからこれ見といて」
そう言って、逆瀬川は高槻に愛用の英和辞典をポンと手渡した。
その辞書で単語を調べた高槻は、ふと逆瀬川の方をじっと見つめた。
「何?急にどうした?」
「い、いや、なんでもあらへん」
なぜ高槻は落ち着きをなくしたのだろう?
*inspire元があります。
転載元: 「Carito me habla en inglés」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10522
“lottery” のページの裏側の “love” が切り抜かれていたので、過去の恋愛相手と何かあったのではと不安になったから。
「なあなあ、この辞書逆瀬川のやんなー?ずっと使ってんの?」
「あー…中学ぐらいから…中学でも大人用の辞書使えっていうのがうちの親のポリシーでさ
そろそろ買い替えたほうがいいとは思ってんだけど」
「それはえーんやけど…人に貸したりせーへんかった?」
「いや、貸したこともあったと思うけど…なんで?」
… 誰に?とは聞けなかった。
線を引いたり印を付けたりはあっても、流石に自分が大切にしてる辞書を切り抜いたりはしないだろう。
こんなことするのは元カレか、彼女に憧れてた男か…
やっぱり評判どおりの「競争率」か。
〜3か月前〜
「あの子、めっちゃモテんで。
一見そんなタイプに見えんけど、東京の進学校でまあまあの有名人レベルやったらしいで」
「ふ、ふ〜ん…甲東園 よー知ってんな…」
「…好きなんやろ?なんでもえーから声かけとき 英語教えてでもなんでもかまへん」
「あ、あの…逆瀬川…雲雀ちゃん?」
「は?何急に??」
*元ネタ *「September」*by 竹内まりや
*二人は後々までお友達。
*逆瀬川さんの本名はこちら。