
登山中に大蛇に遭遇したので、自由の女神のポーズをとった。
なぜ?
*Q8 kUmaさんのリサイクルです。
転載元: 「【神ますか?リサイクル】snakes and stones never broke my bones」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10579
研究者が暗がりで珍しい大蛇を発見したため、トーチで照らしながら手持ちの本で特徴をチェックした。
私が、薄暗がりの山道を教授と歩いているときのことだった。
「教授!!あそこに大きな蛇が!!セルパンス・ラテラリスではないですか?」
「しーっ!声が大きいわよ!!本当にそうだったら、逃げてしまうかもしれないじゃない!」
この山にしかいないセルパンス・ラテラリスは、絶滅危惧種の巨大な蛇である。
体こそ大きいが、人を襲うどころか、生きた動物を食べることすらほとんどなく、主食は木の実や果物や種子、時々死んだ生き物や卵を食べるぐらいだ。
性質は極めて穏やか、というかむしろ臆病で、大きな音を立てて近寄ったりすれば、すぐに逃げ出してしまう。
私たちは何度か通っているが、生体には未だにお目にかかれていない。
本当にセルパンス・ラテラリスかどうか調べる必要があるが、蛇に直接光が当たれば、逃げてしまう可能性が高い。
そこで、教授は右手でトーチを高く掲げ、ギリギリの明るさを保ちながら蛇を観察した。
この山奥では、電波がほぼ通じないので、細かい所は研究書と照合しながら確認する。(教授は左利きだ。)
その姿は、まるで自由の女神のようだった。
「あ、気付かないですみません。私が持ちます」
私はそう言ってトーチを掲げた。
「…間違いないわね。カメラを仕掛けましょう」
私は、赤外線カメラを準備した。