星も出ていない夜に、弟と手をつないで丘の上に立っていると、音もなく静かに、銀色の円盤が空から降りてきたのはなぜ?
転載元: 「後はすすきが揺れるだけ」 作者: メロトロン (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10635打ち上げ花火の破片と衝突したドローンがパラシュートを開いたから。
花火が終わると、丘はすぐに静けさを取り戻した。火薬の匂いがわずかに残り、弟の手は少し汗ばんでいて、曇った夜空は星も見えない。
ふたりは、ただ余韻を惜しむように空を見上げていた。さきほど打ち上げられたUFO型の花火を思い出し、本物のUFOでも呼んでみようか、なんて考えた、そのときだった。
銀色の円盤が、音もなく静かに、空から降りてきた。街灯の光をかすかに拾い、輪郭だけがぼんやり浮かぶ。
「お兄ちゃん、あれって……」
弟がつないだ手をぎゅっと握りしめた。
ふたりには、それが宇宙からきた空飛ぶ円盤のように見えた。