漫画や小説ではたまにロボットの兄弟が出てくる。ロボットに血の繋がりなどないが、例えば作成者が同じ人物であったり、あるいは同じ部品を使っていたり、あるいは同じ工場で作られた場合、兄弟として紹介することがあるようだ。
ここに、ロボットのロボ太と、ロボ美がいる。2体は兄弟らしいのだが、上記の理由にはどれもあてはまらない。2体は何をもって兄弟であると名乗っているのか。
※メラさんのメライクルです。
転載元: 「【メライクル】ロボットの原点」 作者: ホワロ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10647答え:盃
西暦XXXX年、ジャンク星は人間が住む星々の廃棄物の捨て場として利用されていた。
だが、大量の化学汚染物質に囲まれたその場所に、ロボット達の住処が作られていた。
人間が捨てた高度な人工知能を持つロボットの残骸の二つが立ち上がり、ゆるやかな発展を遂げたのである。
「Pオイルだ。こっちにもあるぞ」
「ねえロボ太。私達、何のために生きているのかな。人間にも捨てられて、ただ動くだけ」
「そりゃあ分からないけど、生きなきゃ。だって人間ならそうするんだから。僕たちはより人間に近付けるように造られたロボットなんだから」
ロボ太とロボ美が起き上がってXX年が経過した頃、ジャンク星の一画には小さな街が出来ていた。
文字通りゴミゴミした街であったが、ロボットの知能によって発展した、彼らが住みやすい土地となっていた。
ロボ太達にも仲間が増え、彼らは生きる目的も無いまま、ただゆるやかな日々を満喫していた。
「Pオイル変換機完成! これでオイルの枯渇に困る事は当分ないぞ!」
「やったな! ロボ太!」
「皆ありがとう。じゃあ人間みたいに、乾杯としゃれこもうか」
ロボ太がそう言うと、仲間五人のロボット達はゴミ山から拾ったボロボロの盃にオイルを注いだ。
「乾杯! 僕たちは同じゴミ山で育った兄弟だ。これまでも、そして、これからも」