
満月の夜は狼になってしまうおおかみ男のルウ。
彼は人を襲いたくないという強い思いから、満月の夜は積極的に外出をしている。なぜ?
*Q7 白石コーソーさんのリサイクルです。
転載元: 「【月ますか?リサイクル】you turned into your worst fears」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10812
*「普通の人間」の姿の時の方が、「人を襲いたい」欲求が強いから。
ルウは苦しんでいた。
自分が満月の光を浴びると狼になってしまうことに、ではない。
それにはもう慣れた。
満月の夜でない、普通の日に歩いていると、別人格が出てきて、自分でも抑えきれない殺傷欲求が湧いてくるのだ。
むしろ、狼の時の方が安全だ。
人間は狼のことを警戒するし、こちらとしてもよほどお腹が空いていない限り、わざわざ人間を襲おうとは思わない。
だが、人間の時の自分は違う。
理由もなく、人を刺したくなる。
人間の時の自分の方が、遥かに「血に飢えた獣」だ。
しかも、一見紳士風の自分のことは、誰も疑わないから、「やりたい放題」だ。
それがもう嫌になったから、人間の時は、ずっと家に篭っている。
そうなれば、傷付けるのは、自分だけで済む。
人を刺すか、自分を傷付けるか、狼か。
ルウの人生にはその3つの選択肢しかない。
その中では、狼でいるのが一番楽だった。
満月の夜、一晩だけの自由を味わうために、ルウは外出する。
一声遠吠えを発すれば、人々は警戒して、家から出てこない。
その遠吠えに込められた悲しみに、誰も気付きはしない。