素敵な粉

カメコは「皆やっているよ」と渡された粉を使えなかった。
その粉は使っていることがバレれば怒られ、一度はまってしまうと抜け出せないし、そのためにお金がかかることも知っていたからだ。
しかし数年後カメコはそのことを後悔し、遂に粉に手を出し始めた。
何故だろうか？

カメコの通っていた高校は校則が厳しく、お化粧をしていることがバレると怒られるような高校だった。
それゆえカメコは同級生に渡されたファンデーションを使う気にはなれなかった。
同級生たちはお化粧をしている人も多かったが、真面目なカメコは怒られるリスクを取りたくないと思った。それに、すっぴんに戻れなくなったり、お化粧品に沢山のお金を使ってしまい毎日バイトで忙しそうな同級生たちのことも見ていたからだ。
しかし数年後大学に進学したカメコは、片思いをしていた男性の隣に完璧なお化粧をした女性が歩いているのを目撃し、もっと早くお化粧を覚えていればよかった…と後悔しお化粧の練習を始めたのだ。

[お化粧は難しいですよね。高校では禁止されてるところも多いのに、大学になった瞬間みんな結構完璧な化粧して来るからビビります]