とある教会にて、男は神父に信じられないことを告白した。
そしたら神父も信じられないことを告白したが、男は信じなかった。
しかし、神父が信じがたいことをしたために、男は信じざるをえなくなった。
すっかり信じた男は、神父をただひたすらに信じつづけた。
だが、神父が信じられないことをしたために、男はもはや、信じられなくなった。
さて、男が新たな教会に向かう前に、彼の身に起きたことを補完してほしい。
転載元: 「衝撃のカミングアウト」 作者: アシカ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/233
とある教会にて、男は無神論者であることを告白し、神父の信仰を挫こうとした。
そしたら神父も告白した。実は、自身こそが神であると。
怪しげな三位一体説を主張する神父であったが、男は信じなかった。
人が神であるはずがない。アホかこいつは。
(ちなみに神父の三位一体説の証明は、要約すれば次の通りである。
三位一体説の定義により、神=父、父=子、子=神 が成立する。
これを神父に代入すると、神父→神子→神神 と変換される。
しかし、[絶対神である神の上に神はいない]という公理により、神神=神が成立。故に神父=神 が証明された。
なお、神=父だけで十分だが、男を煙に巻くために回りくどく説明した)
さて、疑う男を前に、神父は次々に奇跡を披露してみせた。水をぶどう酒に。パンを肉に。
ローブの中から何十匹もの鳩を召喚し、切断死体から生きた人間を復活させた神父に対して、男は神の御業だと涙を流した。
こうして神父の手品にすっかり騙された男は、完全に神父を神だと信じ込んだ。
そして死後の救済を説く神父の御言葉に従い、男は必死に働き、その財産を寄付し続けた。
しかし、神父が寄付金を持ち逃げして姿を消したために、男はもはや、神も人も信じられなくなった。
この世に絶望した男は、残酷な真実を愚かな神父たちに突きつけるべく、新たな教会に向かった。
「おい、この世に神なんていやしないんだよ。かくかくしかじかでな、俺はそう確信したね」
「…それは大変でしたね。しかしその神父は偽物です。神はいますよ。それこそ、あなたの目の前に」
「おお、水がウイスキーに!もしかして、あんたが本物の神様か!?」
いつかこの道化師が救済される日はくるのだろうか。 おしまい。