最悪な人気者

カメオの関係者は皆素晴らしい人物ばかりだった。
陰で慈善事業を運営するとある大会社の社長、正義感の強い警備員、
困った人々に救いの手を差し伸べる医者、親のいない子供を守る児童養護施設の経営者などあげればキリがない。

だが、素晴らしい人物達を見れば見るほどウミオの顔はくもった。

「このカメオってヤツ、最悪な野郎かもしれねぇな……」

なぜ、そんな評価になったのだろう？

簡易説明：全員、カメオ殺害の容疑者だったから

集まった人々は全員カメオ殺害の容疑者だったのである。
カメオはとある殺人事件の被害者。それも、突発的な事故ではない、計画された殺人だった。
さらにいえば容疑者達には薄暗い弱みもなく、カメオは人が羨むような地位や財産もなかった。

犯人は確実にこの中にいることが調査でわかっている。
こんなにも優しい人たちに殺害を決断させるほど追い詰めた
カメオは一体、何をやらかしたのだと刑事のウミオは苦い顔をしたのだった。