亀に連れられて　竜・宮城

宮城 竜 氏のインタビュー記事によると、宮城氏が今の職業を目指したきっかけは、小学生の時の担任だった亀尾先生に褒められたことだそうだ。

亀尾先生に宮城氏を褒めた経緯を尋ねると、「あの時は宮城さんが宿題の提出を何度も忘れたので……」と答えた。

亀尾先生が褒めた経緯について説明せよ。

「あの時は宮城さんが宿題の提出を何度も忘れたので、かなりの量をまとめてチェックすることになったため、ページの隅のパラパラアニメに気が付いたんです。それがとても見事だったので、ノートを返す時に褒めたんです。」


宮城氏は4回宿題を提出し忘れたので、5回分の宿題を一気にまとめて提出することになった。
1回分ならノート2ページ弱で終わる宿題だが、5回分なので10ページ近くに及んだ。

亀尾先生は宮城氏の宿題をチェックしていて、ノートの複数のページの隅に、同じような鉛筆描きイラストがいくつもあることに気が付いた。
同じキャラクターだが、ほんの少しずつポーズが違う。

確認すると、イラストはノートの右ページすべてに描いてあることがわかった。
まだ使用していない白紙のページにも、もれなく。

もしやと思って、ノートをパラパラとめくってみると、キャラクターが生き生きと動き出した。
「すごい！」
亀尾先生は思わず感嘆の声をあげた。


翌日、宮城氏にノートを返しながら亀尾先生は言った。
「このパラパラアニメすごいね！今度他のも見せてよ。」



数十年後、宮城氏が制作したアニメ映画が、国際的な映画祭のアニメーション部門賞を受賞した。
問題文のインタビューとは、受賞インタビューのことである。