とある航海士の日誌

[ウミガメのスープ]

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これは、とある海難事故に遭った男が記した日記の一部である。これを【日記1】から順に読み、【日記4】に記されている問に答えよ。

遭難してから暫く経った。漂流の後、とある孤島にたどり着いている。居心地は悪くないが、いつまでもこんな所にいる訳にはいかない。一緒に乗っていた友人達は元気だろうか…?早く彼らに会いたい。そして不安も募る。こんな所に助けなど来てくれるのだろうか?海の音しか聞こえない島だが、空を見上げると航空機のようなものは飛んでいるようだ。きっと助けがやってくる。今日は友人達を見つけに歩き回ることとしよう。

人を殺めてしまった。やっと会えた友人を、一悶着の末に殺してしまった。私が焦って証拠を隠滅しようとすると、もう一人友人がやってきた。海難事故で離れ離れになってから久しぶりに会った彼は憔悴しきり、痩せ細っている。その時、どす黒い考えが私の頭をかすめた。丁度食料も尽きてきた頃だ。私はさっきの死体を切り刻み、ウミガメ肉と共にスープに入れた。少し取って舐めてみる。…美味しいスープだ。知らずに飲めば気づかないだろう。私は彼と再会を喜び、祝杯を挙げた。人肉のスープと共に。

孤島を一人、私は今日も食料を探しに歩いていた。随分前に友人とは離れ離れになった。どうしようか…その時、段々と轟音が鳴り響いてきた。何かと思い上を見上げると、そこにはこちらにやってくるヘリコプターであった。大きく手を上げ、叫ぶ。やっと…助かった。しかし、私の脳裏に生き別れた友人たちの顔が蘇った。彼らを置いて救出されても良いのだろうか?しかし救助隊は私の救助で精一杯のようであった。「残りの子もまた助けに来るから、大丈夫。」私は彼らの言葉を信じ…いや、少し心配しながらも、我が家に戻って行った。

救助されたのち、私が向かった一軒のレストラン。美しいオーシャンビューであるが、「海」というワードは私にとってトラウマでもあった。海難事故のせいでもあるが、一人だけ救出された罪悪感も日に日に募っていく。早速メニューを見ると、「ウミガメのスープ」の文字に目が留まる。あの海、そして島であった出来事がフラッシュバックされる。ただ、それに惹かれた私は、ウミガメのスープを注文した。
一度すすってみると…初めて感じた味だ。本物のウミガメのスープとはこんな味がするのか。私は舌鼓を打った。私はシェフを呼び、こう言った。
「これが、本物のウミガメのスープですか」
「はい、当店自慢のウミガメのスープでございます。」

【問題】この文章(日記4)には続きがあるのだが、その内容を理由も含めて答えよ。
(理由不足の回答には回答いたしません。)


出題者:
出題時間: 2020年1月25日 11:55
解決時間: 2020年1月25日 13:17
タグ:
第3回Cindyオブザイヤーノミネート作

【解答】紛れもない生き別れた友の声だった。私は彼と祝杯をあげた。ウミガメのスープとともに。

【解説】
条件◎:この4つの日記は「ある遭難した男が時系列に沿って記した日記」ではなく、「同じ遭難事故で離れ離れになった友人四人が全く同時刻に記した日記」である。(「とある海難事故」に遭遇した男(複数)が記した日記)

条件①:まず、3の人物はこの日に救出され、「残りの子もまた助けに来るから」ということを言われながらも友人を心配している。「残りの子(単数形)」は1のことである。また救助隊員がこのこと(遭難したのは複数名である)を知っているのは2or4の人物がそれを告げたからだと推測できる。

条件②:次に、1の人物は、遭難してから暫く経ち、2〜4の人物との再会を待ちわびている。「空に飛んでいる航空機のようなもの」は3の人物が乗るヘリコプターを指す。

なお、上記二つは◎を導き出すためのクルーかつフェイクの文章である。重要なのは下記二つ。

条件③:次に、2の人物である。殺害した友人は、遭難したものでは無く、救助後の遭難とは関わりのない友人である。殺害場所は孤島では無く、レストランである。(条件◎)そして、その後ウミガメと人肉を混ぜてスープを作り、(食料が尽きてきた→ウミガメのスープを作るためのウミガメ肉が尽きてきた)「海難事故で離れ離れになった人物」とこれを食している。

条件④:最後に、問題になる4の人物である。「一人だけ救出された」という文では勘違いor2の人物が後に救出された可能性を示唆している。「ウミガメのスープ」で思い出がフラッシュバックしたのは「ウミガメのスープ」という一単語では無く、「ウミ」というワードである。(問題文中にクルー有り)「これが、本物のウミガメのスープですか」は疑問では無く、「美味しい」という称賛である。それにシェフは「当店自慢のウミガメのスープです」と答える。

4の人物は海難事故に遭っており(条件◎)、救出されているのは2と4の人物(条件①〜④)、2の人物はこの日人肉スープを海難事故で離れ離れになった友人に作り、提供している(条件③)、4の人物は問題エリア直前に初めてシェフの声を聞く&出会う(条件③、④)より、解答は上記(日記2より丸コピ、改変すれば作成可能)またこの解説に沿った解答(条件◎の明記(or解明)&納得がいく説明)であれば正解とする。なお、日記4において「私」が人肉のスープを飲んでいると認識していると考えられる記述は不正解とする。

日記2の殺人について気になるという方もいらっしゃるでしょうが……この世界には知らなくて良いことだってあるでしょう?


出題者:
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パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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