町外れにある一軒の西洋造の建物。そこは知る人ぞ知る「忘れさせ屋」である。
この店の店主に依頼すると、ひとつだけ任意の記憶を忘れさせてくれる、というのだ。
ある人は手痛い失恋の記憶を、またある人は陰惨な事件の記憶を消すためにこの店を訪れる。
さてある日、その噂を聞きつけたカメオが「忘れさせ屋」を訪れたのだが、カメオが店主に依頼したのは「昨日の夕食のメニューを忘れたい。」という内容だった。
いったいなぜ、カメオはこのような依頼をしたのだろうか。
ZENOさんの問題です。
転載元: 「【忘れますか?リサイクル】昨日の夕飯はちらし寿司でした」 作者: Duffy (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/4103
カメオには、忘れられない記憶がある。いや、忘れられなくなったが正しいのかもしれない。それは昨日の夜、とある海の見えるレストランの話である。
彼はウミガメのスープを飲み干すと、シェフに尋ねた。
「これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい、正真正銘のウミガメのスープでございます。」
明らかに味が違う。遭難したあの時。親友がいきなり消えたあの時。その時飲んだスープの味と。もしや。彼は強くショックを受けた。このトラウマは消しても消しきれない。
…「あれがウミガメのスープだったということを…忘れられれば。」
彼はそう打ち明けた。それでは、早速忘れさせてあげることとしよう。
【解答】昨日のメニューを分からなくすることで親友を食べたということに気づくことができなくなるから。