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【長編海亀】想いよ...届け!

[ウミガメのスープ]

(注:本問は長編ストーリー仕立てとなります。御承知おき下さい)

モートンとローザは双子の子供。
孤児院で一緒に暮らしていた。
2人とも仲が良く、喧嘩などをしたことが無かった。

施設のサリー先生が2人の面倒をよく見てくれ、2人は幸せだった。
2人は人見知りで他の孤児達とはあまり遊ばなかったが、お互いが心の支えであった。

そんな中、14才になるモートンとローザはそれぞれ別の家族に養子として引き取られる。
2人が離れ離れになるのは辛かったが、都合が付くときに逢う約束をしていた。

そんな中、衝撃的な事件が起こった。2人はショックを受け、とても悲しんだ。
たった1度だけ逢う事はあったが、それ以来当分の間、逢う事は一切無くなってしまった。


月日は経ち、2人は40才になった
お互いが久しぶりに逢おうという事になり、段取りを決めて2人は逢う事ができた。
この時はモートンの育ての母親がローザに初めて紹介され、3人で楽しく食事を行い、会話も弾んだという。
そのうち、親抜きで2人は週に1回ほどの頻度で食事をしたり温泉に入ったりして楽しく過ごしたという。

【問題】

(1) 2人は養子に引き取られてから40才になるまで、なぜたった1度しか逢っていないのだろうか?
(2) そして、40才になってからなぜ急に逢い始めたのだろうか?


出題者:
出題時間: 2020年5月30日 1:26
解決時間: 2020年5月31日 13:38
© 2020 qoop 作者から明示的に許可をもらわない限り、あなたはこの問題を複製・転載・改変することはできません。
転載元: 「【長編海亀】想いよ...届け!」 作者: qoop (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/4320
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【正解】

(1) 意思疎通が困難であったから。
(2) スマホが進歩したから。

【解説】

モートンとローザは男女の双子
モートンはモーと呼ばれ、目が不自由であった。
ローザはローと呼ばれ、耳が不自由であった。

2人とも障害を持っていたという事で、乳児のうちに両親に捨てられて、孤児院で育つ事となった。
お互いそれぞれ目と耳が不自由であった為、意思疎通は困難であった。

しかし、施設のリサ先生は2人の橋渡しとなってくれた。
モーが発した言葉を、文字に起こし、ローに伝えた。
ローが流暢にペンを走らせれば、リサ先生はそれを丁寧に読み上げモーに伝える。
2人はそうしてリサ先生にお世話になりながらコミュニケーションを取ってきた。

リサ先生はそんな2人の世話をするうち、いつしか偉人「サリバン先生」から名前を取って
「サリー先生」と呼ばれるようになった。

14才で2人が養子に行った7日後、衝撃的な事件が起こった。
サリー先生の突然の訃報が2人の元に舞い込んだのだ。どうやら病気による急死らしい。
「そんな…」「あのサリー先生が!」
2人とも絶望し、かなり落ち込んだという

実は月に1回、モートンとローザ、そしてサリー先生で会う約束をしていたのだ。
2人のコミュニケーションの橋渡しができるのは何と言ってもサリー先生だけであった。
他の人はそれ程うまくできないだろうし、何より負担が大きすぎて頼めるものではなかった。

2人は全くコミュニケーションを取れなくなってしまった。
サリー先生の葬式に参加して一度だけ逢う事はあったが、それ以来逢う事もしなかった。
2人はそれぞれの家庭で別々に暮らし、育って行った。。。


そして時代は2020年
ここにスマホが進歩し、絶大なる進化を遂げていたのだ。
話す言葉を文字に書き起こす事も出来るし、入力した文章を音読する事も出来る。
2人はこのスマホの力を借りて、実に26年ぶりに逢う約束をした。
今や外国人ともスマホのアプリで誰とでも意思疎通の出来るこの時代。
スマートフォンの能力を最大限駆使して、2人は会話する事ができた。
お互いこんな時代が来るなんて夢にも思わなかったようだ。

2人はそれぞれ結婚はしていないが、お互いの気持ちが通じ合うだけで満足であった。
2人は食事を楽しみ、水着を着用して入る温泉に浸かったりして気持ちを共有した。
きっと天国からサリー先生も双子を見てくれている事だろう。

そんな天国のサリー先生に伝えたい。
核兵器や毒ガスの開発など、時として科学は人間を絶望と不幸に陥れる事もあるけれど
その一方で技術は我々の暮らしを便利にして、私達に希望と幸福をもたらす事もあるのですよ、と

想いよ...届け!

≪おしまい≫


出題者:
参加するには または してください
パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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Cindy