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意味がわかると……な話

[ウミガメのスープ] [闇&常駐]

夕ぐれの時間。
山で遊んでいたわたしは、早くうちに帰らなきゃママに怒られちゃう、と急ぎ足だった。
すると、知らない子が向こうから踊るような足どりで歩いてきて、楽しげな声で話しかけてきた。
「こんにちは!」
「こ、こんにちは」
「あのね! あのね! ぼく、いいものもらったんだよ! わかる?!」
その子はそう言うが、わたしはぷるぷると首を振るばかり。
「これ!」
その子が小さなガラスの玉を取り出したので、わたしはまた驚いた。
「いいでしょ! ほしかったんだ、ぼく、ずっと!」
手の上のガラス玉は夕焼けの光を受けてきらきらと輝いている。思わずわたしもきれいだなと思った。
その子はガラス玉をしまうとにっこり笑った。その笑顔も輝いているようだった。
「……きれいだね」
「うん!」その子は大きくうなずき、「じゃ、ぼく帰るね!」と言った。
そして来たときと同じ、踊るような足どりでわたしが来たほうへ去っていった。
大丈夫だろうか、と思って見送ると、その子は危なげなく歩いていって、そして見えなくなった。
まあそうか。あの子は普通の子じゃないし、これまでもずっとこうしてきたんだろうから。
わたしは(よかったね)そう心の中で言って、うちに帰っていった。

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状況を説明してください。
ただし、誰がこの子にガラスの玉をあげたのかは考慮しなくてよい。


出題者:
出題時間: 2020年6月17日 23:29
解決時間: 2020年6月21日 22:02
© 2020 GoTo_Label 作者から明示的に許可をもらわない限り、あなたはこの問題を複製・転載・改変することはできません。
転載元: 「意味がわかると……な話」 作者: GoTo_Label (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/4404
タグ:

義眼をもらった一つ目小僧に会ったお話。


出題者:
参加するには または してください
パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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Cindy