破天荒な花嫁

カメオには、好きな女性が二人いる。

一人は、幼い頃によく遊んでもらったビアンキという名の元気で明るい女性。もう一人は、少し前に知り合った、フローリアという名の、おしとやかで気立てのいい女性だ。
カメオはどちらも、甲乙つけがたいほど好きだった。

ある日カメオに縁談が持ちかけられた。お相手はデボナという名のカメオより年下の娘だった。
彼女はお見合いの場では、カメオを無視したり、食事を投げつけたり、酷い仕打ちをしたが、カメオはそれでも、ビアンキでもフローリアでもなく、デボナを花嫁に選んだ。

一体なぜ？

カメオはゴリラのオスで、ビアンキとフローリアは人間（飼育員）。ゴリラのメスはデボナのみだから。

補足：ビアンキはカメオが生まれたときからお世話していた古株の飼育員で、フローリアは最近新しく担当になった飼育員という設定です