【旅立ちますか？リサイクル】あなたが思うより良い声です

旅立ちの歌が聞こえる
綺麗な歌声と共に
私は「やめろ」と泣き叫ぶ
皆は静まり返り

泣いている私に拍手喝采を送る。

一体何が起きたというのだろう？

ノーキンさんの問題のリサイクルです。

私はいつもひとりぼっちだ。中学校に入ってからもクラスの雰囲気に馴染めず、体育などで二人組を作る時はいつも先生とだし、昼食も屋上で一人で食べていた。そしてあっという間に中学校生活は過ぎ去り、とうとう卒業式まで後わずかとなった。3年A組の私以外の皆は卒業式に向け、合唱練習をしているが、私はクラスに何の思い出も無いし、そもそも合唱なんて歌いたくないし、何かと理由をつけて教室で一人ぼっーとしていた。するとまだ合唱練習は終わってないはずなのに3年A組の皆が帰ってきて私は慌てて寝たふりをした。少し時間が経ち、シーンとしたので顔をあげてみると、周りをクラスの皆が取り囲んでいた。同時にクラスの人達は私に向かって練習した綺麗な歌声で「旅立ちの日に」を歌う。私は「ああ、最後に私はトラウマを植え付けられて中学校生活を終えるんだな」と思い、涙が出てきて、つい、「やめろ！」と叫んでしまった。周りは静まり返る。少しして、一人の男子が私に言った。「お前そんな良い声だったんだな。今まで気づいてあげられないでごめん。遅いかもしれないけど、最後に一緒に合唱を歌って、思い出を作ろうよ」と。私は泣きながら笑顔で「うん」と答える。クラスの皆は、笑顔で私に向かって拍手喝采を送る。ー卒業式当日、体育館に3年A組クラス全員の美しい「旅立ちの日に」の歌声が響き渡る。