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【鶯ますか?オマージュ】違和感の正体

[ウミガメのスープ]

美術館にて鶯の絵をご覧になったカメオ氏は、その絵の作者が既にお亡くなりになっていることを悟ったというのですが、いったいどういうことなのでしょうか。

※メトロノームさん投稿文(No.4)のオマージュです。


出題者:
出題時間: 2018年2月9日 15:13
解決時間: 2018年2月9日 16:46
© 2018 エルナト 作者から明示的に許可をもらわない限り、あなたはこの問題を複製・転載・改変することはできません。
転載元: 「【鶯ますか?オマージュ】違和感の正体」 作者: エルナト (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/664
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あれは3年前の寒い日のことでございました。
かの世界的に有名な画家・カメール氏の二番弟子であったカメオ氏は、彼の死の第一発見者でした。
自室で首に紐を掛け自害した彼の突然過ぎる死に納得のいかない部分は多かったのですが、師の直筆の遺書が発見されたことにより、警察は自殺と認定したのです。
それはもう、カメオ氏の兄弟子にあたるカメゾウ氏と共に、非常に悲しんだのでございます。
その日を境に2人が会うことは無くなりました。
カメオ氏はその日から絵を描くのをやめたのでございますが、カメゾウ氏はその後もカメール氏の遺志を受け継ぎ、絵を描き続けたのです。

そうして3年の月日が経ち、ある日唐突にカメゾウ氏からカメオ氏に一通の招待状が届きました。
それは、カメゾウ氏の絵画展の知らせでした。

兄弟子の独り立ちに感動し、また彼と会えるのを楽しみに、カメオ氏は二つ返事でその絵画展に足を運びました。

そこで見つけてしまったのです。その、鶯の絵を──。
それは間違いなく、カメール氏が亡くなったその日、彼が最後に描き上げた絵画でした。
あの日、カメール氏は最後の瞬間まで絵を描いていました。警察の発表では自室に篭り最後の絵を描いた直後、自害したというのです。
確かに、彼らしい最後だと思っていました。
しかし、カメオ氏がカメール氏の遺体を発見した際に画架に置かれていたその絵を、警察が到着して以降一度も目にしなかったことを今更になって思い出したのです。
突然の師匠の死に直面し気が動転していたカメオ氏は、そのことに今の今まで気付いておりませんでした。
その絵が今、カメゾウ氏が描いた絵として飾られているのです。
師の唐突の訃報に感じた違和感の正体にカメオ氏はようやく気付きました。

しばらくその鶯の絵と対峙していたカメオ氏の脳裏にはひとつの考えが浮かびました。
ひょっとして、カメール氏は自殺したのではなく──

「如何ですか、カメオ殿。私の描いたこの鶯の絵は

突然の声に驚いて振り返ると、そこにはカメゾウ氏が立っていました。
カメオ氏はゆっくりと息を吸い、そして覚悟を決めたのでございます。

「えぇ……感動のあまり涙が出そうです。まるで師匠と再会したような気持ちですよ


***要約***
カメール氏を殺害した弟子であるカメゾウ氏の絵画展で飾られていたその鶯の絵を見て、同じく弟子であったカメオ氏は死体の第一発見者としてカメール氏を見つけた時にすぐ側にその絵があったことを思い出し、亡くなったカメール氏の絵であると気が付いた。


出題者:
参加するには または してください
パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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Cindy