live like tomorrow doesn't exist【遅れてきたHBC】

僕のママ、カメコは、綺麗で、優しくて、お洒落で、お料理がうまくて、仕事ができて、遊んでくれて、とっても素敵なママなんだけど、ちょっと…いや、かなり片付けるのが苦手なんだ。

なので、お料理やお洗濯はママの仕事なんだけど、掃除や片付けはパパの仕事だよ。
もっというと、ママは、片付けるのが苦手なだけじゃなくて、パパが片付ける横から、「あれ、あの靴どこにあったっけ？」「お皿どこにしまったかしら？」「ただいま〜　カイ、新しいゲーム買ってきたよ！」って次から次へと散らかしてしまう。
パパは、「カメコは息をするように散らかすよねw まあそこがかわいいんだけど♡」っていつも言ってる。

まあ、普段はそれでも良いんだけど、明日は大事なお客さんが来るんだ。
ママが起きてると、いつまで経っても部屋が片付かない。
「よし最後の手段だ。やるぞ、カイ」
パパはママのためにとっても美味しいお酒を用意した。（あ、パパは「バーテンダーさん」なんだよ。）
僕はママのためにおつまみを用意してあげた。
ママはとっても喜んでくれたよ。
そして、酔っぱらって眠ってしまったママ（ああ見えて、ママはあまりお酒は強くないんだ）を静かに寝室に運ぶと、パパと僕で一斉に部屋の片付けを始めた。

翌朝、「おはよう〜。あ、部屋きれいになってる。昨日のガスパチョとローストビーフ、サラダだけで足りるかな？アクアパッツァでも作る？」って起きてきたママ。
「いやいや、家のことは大丈夫だから。カメコは久しぶりに美容院行ってネイルとまつげでもやってきたらどう？」
「ママ、帰りにケーキ買ってきて！」
「そう？じゃあお言葉に甘えて」
そう言ってお客さんが来るまで、ママを家から「追い出す」ことに成功した僕たち。

「Mission complete. ママが帰ってくるまで新しいゲームでもするか、カイ」