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【たなぼたますか?リサイクル】the one I've been waiting for my whole life

[亀夫君問題]

僕の可愛い婚約者。
彼女は、「あなたと出会えたのは棚からぼたもちみたいな偶然。」「私は彦星と会えた織姫みたいに幸せ」って口癖みたいに言ってる。

僕は気になって彼女のタブレットを見ていたら、ある動画を見つけた。
それを見た僕は、彼女の言ってることは正しくないんじゃないか、って思うようになった。

本当はどうなのかな?

*この問題は亀夫君です。YES/NOで答えられない質問もできます。
*Q8 セルフリサイクルです。


出題者:
出題時間: 2022年7月6日 21:55
解決時間: 2022年7月7日 19:35
© 2022 gattabianca 作者から明示的に許可をもらわない限り、あなたはこの問題を複製・転載・改変することはできません。
転載元: 「【たなぼたますか?リサイクル】the one I've been waiting for my whole life」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7587
タグ:

「僕」はアンドロイド。
婚約者のタブレットに入っていたのは、自分とそっくりな男の動画。
「僕」は婚約者が昔の(人間の)恋人や夫とそっくりに自分の顔を注文したと考え、自分は所詮代理だったのかと寂しく思うようになった。

「婚約者」に、製造証明書(その他それに類するもの)の提示を求め、それがデフォルトの顔であったことの証明ができれば、「僕」の不安は解消する。
(なお、オーダー品であれば、結婚相談所のリストには並ばず、その注文者に直接送られることが多いと考えられる。)

僕の大好きなウミコさん。バツ5だろうが6だろうがそんなの関係ない。
今は僕のことを愛してくれているんだ。

「棚からぼたもち、っていうのはね、突然出会った幸運、って意味なんだよ。」
「織姫と彦星は年に1回しか会えないの。」
「私は教えたがりだから、あまり言葉を覚えていない設定にしといてよかったなあ。」
そんなことを言うところまでウミコさんは可愛い。
僕と出会えたのは、偶然の幸せということか。

でも。ある日から少し様子がおかしくなった。

「私は銀次郎と結婚していいのかな?」
って言うようにもなった。

つい気になって、彼女のタブレットを開いてしまった。

そこには、僕とそっくりの男が「忘れないで」って言う紙を持って写っていた。

もちろん僕はそんな動画を撮った記憶はない。


これ誰?
僕はこの人の代わりだってこと?
だから僕の顔をこの人そっくりにオーダーした?

ショックだった。
誰かの代わり、であることもだったし、「偶然の出会い」なんかでもなかったんだ。
ずっとこの人間の男の代わりを探していたんだ。

「いいよ。今なら返品しても。」
「え?」
「何番目の夫?それとも結婚しなかった恋人なの?」

「…違う。」
「じゃあ誰?」
「その人とは付き合うことすらなかった。
 私は若い頃、バックパッカーをしてたの。そこで会った人だった。
 一緒にあちこち見て回ったけど、その時は、付き合いもせずに終わった。
 また何処かに一緒に旅行に行こうね、って約束して。
 忘れないで、連絡するから、って。

でも、その約束は叶わなかった。
 その旅の帰りに、交通事故で死んだの。

そのあと、いろんな人と付き合って結婚も何度もした。
 幸せだった時もそうじゃない時もあった。

でも、銀次郎、あなたを『結婚相談所』で見つけた時、運命だと思ったの。
 だって同じ顔だったんだものね。
 私は全くあなたの顔に口を出したりしていない。ここに証明書があるわ。見てもらえればわかる。

もしかしたら、最初はあなたをあの人の代わりだと思っていたのかもしれない。
 でも、あなたはあの人とは話し方も、仕草も、声も、性格も、考え方も、何もかも違う。
 そのうちに見た目なんてどうでも良くなった。その話し方や、仕草や、声や、性格や、考え方やあの人と違う何もかもが好きになったの。
 あなたに出会ったのは、棚からぼたもちみたいな幸運だったし、私は織姫みたいに幸せだと、その時本気で思った。」


「そうか、ごめん…でも、結婚していいのか、って言うのは?」

彼女の目には見る見るうちに涙が溜まっていった。


「私はあの人に残された時、とても辛かった。
 何で私を残していくの、って。
 でも、人間であれば、どちらが先にいなくなるかは、確率の問題。
 だけど、あなたは絶対に残される。
 私がいなくなってもあなたは『生き続ける。』
 私一人が波のように砕け散っていき、あなたは岩のようにずっと留まっていなければいけない。
 そのあなたのことを思うと、いてもたってもいられない気分になるの…」

わからなかった。感情については、だいぶプログラムしてもらっていたし、ウミコからもたくさん学んだ。
でも、そうだったのか。残されるというのは、永遠に残されるというのは、そんなに辛いことなのか。

「わかった。
 ウミコさんがいなくなる時は、僕のメモリーを抜いて行って。棺桶まで抱いて行ってよ。」

「…」

「結婚してください。」

「はい。」

こちらのカップルです。
*名前については、ヒントになるので、恥ずかしがっているという体で隠しています。

*百人一首 その四十八【かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみ くだけてものを おもふころかな】からのinspireです。
*Lady A “Just a kiss”のPVからのinspireでもあります。

「課長、一体一体イケメンとか美女の顔デザインするのも大変ですね。
 同じ顔は二度と作れないし、あんまり美男美女すぎても人気が出ないのが不思議ですよね。
 昔の恋人の顔でお願い、って頼んでくる人、ひくわーって思ってたけど、こっちとしてはオーダー品の方が楽ですよね。
 まあ、生きてる人物と全く同じにしてはいけない、って倫理規定があるから、少しいじりますけど。
 有名人の写真なんてもちろん使えないし。」
「…これ、使っていいわよ。」
「うわ、誰これ、イケメンじゃないですか。」
「弟。」
「あ…あの交通事故で亡くなられた…」
「そう。」
「いいんですか?」
「ええ。旅ばっかりしていて、全然彼女を作る気配すらなかった。姉の私から見てもイケメンなのにね。
 だから、幸せになってほしくて…姉バカかしら?」
「いいえ、素敵だと思います。お写真お借りしますね。Lー088479はこちらで発注します。」


出題者:
参加するには または してください
パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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Cindy