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旧【葉っぱますか?オマージュ】nothing is ever the way that it seems

[ウミガメのスープ]

グリーンノートの香水が大好きな女は、誕生日プレゼントにグリーンノートの香水をもらった。
女は、その香水のことは名前しか知らなかったのだが、その香水を作ったのはパフューマーになった高校の先輩なのではないかと考えた。
なぜだろう?

「グリーンという用語は、摘み立ての葉っぱや切ったばかりの草を意味し、ピリッとした香りが特徴である。このカテゴリーの香りには、ガルバナム(背の高い草から得られる樹脂。爽やかで鋭い、苦味を感じる香り)などの、伝統的なシャープな香料が含まれることがある。(fragranticaより)」

調香師のこと。
その香水のコンセプトにあった香りを調合して作り上げるお仕事。
マニアになると、好きな調香師の作品を選んで買ったりする。
フランス語で鼻を意味するnez、その英訳のnoseと呼ばれることもある。



*葉っぱますか?Q16 セルフアレンジです。

*百人一首 その六十一【いにしへの ならのみやこの やへざくら
けふここのへに にほひぬるかな】からのinspireです。


出題者:
出題時間: 2022年11月26日 22:07
解決時間: 2022年11月26日 23:43
© 2022 gattabianca 作者から明示的に許可をもらわない限り、あなたはこの問題を複製・転載・改変することはできません。
転載元: 「旧【葉っぱますか?オマージュ】nothing is ever the way that it seems」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8138
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*その花の名前から、花の香りではなく、「葉っぱの香り」をイメージするのは女の国の人だけだから。

キョウコの出身国を代表する美しい花。
春、ちょうどキョウコの誕生日ごろになると咲き誇る、その美しい姿からインスピレーションを受けた名香も、数多く存在している。

しかし、実はその花にはほとんど匂いはない。
なので、世界的に人気を博している「その花の名前を冠した香水」はイメージだけで作られた香水である。



一方、その花の葉っぱはとてもいい匂いがする。
キョウコの国の子供達であれば、みんな小さい頃その葉っぱをちぎって遊んだり、その葉っぱの香りのお菓子を食べたりした記憶があるのだ。

だが、それはキョウコの国だけの風習で、他の国にはほとんど知られていない。


ところで、キョウコの国は、とても小さい上に、香水の人気はそれほど高くない。
だから、キョウコの国出身のパフューマーなどほとんどいないのだ。

しかし、キョウコの先輩は、違った。
香水の世界に惚れ込み、世界に名を馳せるパフューマーを目指すと言った。

その先輩の熱意に心打たれ、キョウコも少しずつ香水を使うようになったのだ。


ある年の誕生日、キョウコが恋人にプレゼントしてもらった香水は、その美しい花の名前のついた香水だった。
他のブランドが出している、その名前の香水と同じような、つけた瞬間にふんわりと香る、甘いフローラルの香りなのだろう。
そう思ってつけてみた。

違った。

その花の名前こそついているが、その香りは、その植物の葉っぱの香りだった。
清々しいグリーン系の香り。
キョウコたちの誰もが、幼い日の思い出を思い出す懐かしい香り。

その花の華やかなイメージとはまるで違う、葉っぱを手で揉んだ時のような、草いきれのような、爽やかな香り。

これを作れる人が、他の国出身の調香師の中にいるとは思えない。

もしかしたら、これを作ったのは先輩なんじゃないだろうか。
キョウコはちょっと幸せな気持ちになった。


出題者:
参加するには または してください
パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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Cindy