【占いますか？リサイクル】let's just take it slow

赤井まぐろ（人名）はもともとせっかちだ。
いや、極度に落ち着きがない、と言ってもいい。
でも、占い師になりたい想いは人一倍強かった。

そこで、もともと運送助手から財をなして占いストリートを展開した、伝説の「先生」こと、浦社長の元で働くことにした。

…まあ、ぶっちゃけ、浦社長の手腕がすごいのは経営の方で、占い師としての腕は三流程度だったのだが、それでも周りには「先生」と呼ばせていた。まあ社長だから仕方ない。
そして、占い師としての能力がいまいちな分、派手なセンセーショナルな演出で売るようになっていたのだが、まあ社長なので仕方ない。

赤井まぐろ（人名）は、その浦社長、もとい「先生」の会社で働くことになった。
しかし、あまりに動きに落ち着きがなさすぎて、運転手はさせていなかった。
「いいか、お前はとにかくゆっくり動け。トロいぐらいの動きでちょうどいいんだ。」そう申し付けて、内勤業務だけをさせていた。

愚直な赤井まぐろ（人名）はそれに素直に従い、トロく動いていた。
周りに聞かれても、「先生の言いつけだから」と答えていた。・

そんなある日、浦社長、もとい「先生」は取引先との会食に出かけることとなった。
酒も出るので、自分で運転をするわけには行かない。
「誰か…いないのか…赤井だけか…」他の社員はみんな運送に出てしまっていた。運送会社なので仕方ない。

やむなく、浦社長、もとい「先生」は赤井まぐろ（人名）に運転を命じざるを得なかった。

しかし、トロい。運転をさせてもトロい。もたもたして、いつまで経っても右折も車線変更もできない。

業を煮やした浦社長、もとい「先生」はとうとう言ってしまった。

「あー、もう、とっとと早く動け」

ドンガラガッシャーン

（ああ、俺が悪いんだよ…こんな結果、占いしなくても見えてたのに…）

幸い、怪我は軽症で済んだそうな。