【悪ますか？リサイクル】screaming, crying, perfect storms

「カメオいいな〜　三国課長の下だろ？仕事できるし、人当たりいいし、おまけに美人だものな。」

いやいや。みんな裏の顔を知らないだろ。
あの女、やりたくない仕事とかめんどくさい仕事とか人に押し付ける天才だぞ。

「カメオ君、急だけど今日私の代わりに出張行ってくれないかな〜」
「あ、はい」

外は急な大雨だった。

「ごめんね　私、お客様の対応が入ってしまって。代わりに会議出席してくれるかな。１００部資料あるから持っていってね。すごい風だから気をつけてね〜。」

飛ばされそうだった。

「来週から１週間の研修、代わりにカメオ君に行ってもらうことになったから」

１週間お日様の姿を見ることはなかった。ちょうど梅雨入りだったようだ。

そうかと思えば、

「ごめんなさいね、いつも代わってもらってばかりで。今日は私が行くね？事務仕事やって、終わったら帰っていいわよ？」

これみよがしに他の職員の前でそう言ったのは、台風の進路が大きく外れ、快晴になった日だった。

偶然だと思ったこともある。でも、同僚の女性課長に言ってるのを聞いてしまった。

「だって雨の日外出るの嫌じゃん？靴ダメになるしw」

ひどい。
ひどすぎる。

でも、帰ってきた時に「ありがとうね。コーヒー、ブラックで良かった？」って真っ赤な唇でにっこり言われると、つい仕方ないって思っちゃうんだよなあ。

やっぱり悪い女だ。