足が好き

2007年以降、ある海岸から21もの死体が発見された。

全ての死体は足だけを残し、それ以外の部位が見つかることはなかった。

なぜこのような事件が起きたのでしょうか？

カナダアメリカの国境にあたるセイリッシュ海は2007年以降、スニーカーを履いた人間の足首だけが漂流するという不思議な事件が起きていた。

セイリッシュ海は複雑に入り組んだ内海で、その内海に入ったものは外にでることは少なく、どこかの岸に打ち上げられる確率が極めて高い。

さらには、風向きの影響によって漂流物はある一定の場所に多く漂着することが明らかになった。

またセイリッシュ海にはエビやカニといった、海の掃除屋と呼ばれる生物が多く存在し、海中にて死亡した人体を分解する役割を担っていた。

エビやカニは人体の柔らかい部分だけを食べる。

そのため、足に存在するじん帯などの柔らかい組織を優先して食べた結果、胴体から足が切り離されることとなる。

そして、近代作られたスニーカーは軽く、スニーカーを履いたまま切り離され足は海を漂い、セイリッシュ海にたどり着いたのであった。