【二物衝撃 No.17】密会

ある夜、男は人魚と握手を交わした。
それ以降、男は定期的に人魚に会い、宝石や豪華な調度品を渡した。
一体なぜ？

男は、人魚の魔女の元を訪れた。
「初めまして、お噂はかねがね伺っております。私、ツルノギ製薬の屋久保 理人と申します。」
『私はカーメラ。こんな捻くれた老婆に何の用だい』
「率直に申し上げます。取引をいたしませんか。私どもはカーメラ様のお作りになった薬を地上で販売したいのです。
人魚の鰭が人間の足になるほどの不思議な力…高い技術力…！素晴らしいです…！
我々の技術力では、カーメラ様の不思議な力を使った薬を作ることはできません。
もちろん、対価はお支払いいたします。」
『お前も物好きだね。私の薬が地上に出回るのは面白そうだ……その話乗った。』
「ありがとうございます。では月に一度、今日と同じ場所にお伺いいたします。
これで契約成立ということで。」
屋久保とカーメラは握手を交わした。