
逆瀬川雲雀は、長い会議があったある夏の日、親しい部下の猫山御影と一緒に帰路についていた。
「課長、会議お疲れ様です!」
「あ〜 疲れたわ…でも、おかげで綺麗に映ってたわwありがとうね。ほんとに御影はよく気が付くよね。それにしても最近暑いね…日本の夏は私に合わないw
あ、ところで、御影はヨーロッパにもタイにも駐在してたけど、どっちが良かった?」
「?そうですね…ヨーロッパはヨーロッパでアンティークやヴィンテージ買ったり、バカンス行ったりしたし、タイの
フルーツや辛いお料理も美味しかったです。ビーチも行きました」
「だよねー。私もそうだったわ。ビーチといえば、サングラスありがとう。御影は、視力は良いんだっけ」
「ですね…ずっと良い方でした!でも、最近スマホとかばっかり見てるから、どうなんだろ」
「そうだよね…私、御影を見てると昔の自分を思い出すんだ。だから、仕事のことじゃなくても、何かあったら相談して。力になれることならするし。あ、私ここで降りるんで。それじゃまた明日」
「??」
さて、その夜、御影は二重にショックを受け、逆瀬川に相談しようと思い立ったのだが、なぜだろう?
*百人一首 その九十八【かぜそよぐ ならのをがはの ゆふぐれは みそぎぞなつの しるしなりける】からのinspireです。
*あれこれと過去問リンクを貼っていますが、中には考えるヒントになるものがあるかもしれません。ないかもしれません。
転載元: 「seeing the bright side」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10798
*いつの間にか老眼が入っていた上に、そのために日焼け後のそばかすが見えていなかったことに気付き、同じ経験をした上司に対策を相談しようと思った。
(課長は何を言いたかったんだろう…とりあえず暑かったし、お風呂入るか)
お風呂上がり、鏡を覗き込んだ御影は、自分の像が少しぼやけていることに気付いた。
湯気のせいかと思ったが、そうでもないみたいだ。
試しに老眼の度入りサングラスをかけてみると、思ったよりくっきり見える。
焦った御影は、ヨーロッパで「デザインが好きだから」買った、ヴィンテージのリーディンググラスをかけて鏡を見た。
すると、今まで見ていたのはなんだろうというぐらい、クリアな自分の姿が映っていた。
ショックだ。まだ若いと思ってたのに、老眼だったのか。
まあスマホ老眼って言葉もあるから、仕方ない。
しかし、よりショックだったことは、自分の顔をよくよく見ると、今まで気付かなかった雀斑がそこかしこにあったことだ。
今までこれに気付けていなかったのか。
上司の顔映りを気にしている場合ではなかった。
思えば、ヨーロッパではバカンス焼けは勲章だ。
そのツケが今更ながら回ってきたのか。
タイの暑い日差しが、それに追い打ちをかけたのだろう。
まだ取り返しはつくだろうか。
そういえば課長は、自分もそうだったって言ってたな。
だけど、その割に、課長はやたら肌が綺麗だ。
なんでも相談して良いとも言っていた…そうか、そういうことか。
「課長、夜分遅くLINEすみません…突然ですけど、なんか美白とかってされてますか?」