ごちゃごちゃとうるさく輝いてやがる夜の街を避けるかの如く、路地裏に座り込む青年。
「どうせ俺なんか……こんな想いするんだったら朽ちて死んじまったほうがマシだ。」
薄暗え路地裏の隙間から見える、浮っつらいた共々の顔を尻目にそう呟く。
すると、青年の元に一人の男がやってきて、しつこく絡んできやがった。
その男は「人生はまだまだ長い」だの、「やらずに後悔してるほうより幾分かマシだ」だとか、説教じみた言葉をづらづらと青年に投げかけたと思えば、青年に向かって頭を下げ始めた。
なんでや!
なんで頭下げてるんや?!
転載元: 「【二物衝撃 No.1】言葉を飲み込むほどに、辛く、苦しい。水にインクを垂らしたように、そんな淡い恋で濁って、汚れちまった気持ちはどこへ行く?」 作者: μCraft (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8680
「まだまだ若けぇんだから死んだらもったいない、人生はまだまだ長いんだから、なっ!」
(うるせぇな、この酔っ払い。)
「そんなさ、全部背負いこむこたぁねえよ。どんなこたぁでもよ、聞いてやるからさ、言いたいこと全部吐き出してみなよー!!そしたらさ、楽になるからなっ!!うっ……オロロロロロロロロ。」
「いや、楽になってんのアンタだろ!!」
その日の青年の夜は長かった…………主に洗濯で。