カメオ老人が自宅の戸棚の引き出しで探し物をしていると、隅のほうから自分の服のボタンが出てきた。
カメオは首をひねる。
というのは、その服はかなり前に処分したものだからだ。
さらに、今の家に引っ越したのも、この戸棚を買ったのも、服を処分した後のことである。
なぜこのボタンは現在この戸棚に存在しているのか。
転載元: 「タイム&スペースワープ」 作者: GoTo_Label (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10603首をひねったものの、すぐに事情を思い出したカメオは居間に行く。
そこにいる妻カメコにボタンを見せて「こんなものを見つけたよ」と声をかける。
「あらあら」カメコは笑う。
「こんなもの、まだ取ってあるのかい」苦笑まじりに言うカメオ。
「だって」カメコは手の中のボタンを懐かしそうに見つめる。「大事な記念だもの。あなたから最初にもらったものでもあるしね」

カメオが学校を卒業した日、後輩のカメコにお願いされて第二ボタンを渡した。
それをきっかけにカメオとカメコは付き合いはじめ、のちに結婚したカメコがずっと大事にしまっておいたのである。