ひき逃げにあったAさん。
ナンバーを見ようと思ったが転倒していたせいで時既に遅かった。
そこでAさんは近くにいた無実の男をひき逃げ犯として通報した。
一体なぜ?
転載元: 「ドミノ」 作者: ホワロ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10662見えなかった。
何がって当然、ひき逃げ犯の車のナンバープレートだ。
ひき逃げ犯の車が見えないくらい遠くに行ってしまったから見えなかった訳ではない。
その後方を行く車が、倒れたAさんの視界の間に入って壁になったせいで見えなかったのである。
というか、ひき逃げ犯だけならまだしも、その後ろで轢いた現場を見ていたはずの運転手まで、倒れる人間を見て過ぎ去るなんて酷い! 薄情な奴だ。
この辺りは道も狭く、監視カメラなんてものがある保証はない。
そこで思いついた。
ひき逃げ犯の車が無理なら、その後方の車のナンバープレートを警察に伝えれば良い。
最近ではドライブレコーダーの搭載率が60%を超えるらしい。
あの薄情な車のドライブレコーダーの映像さえあれば、ひき逃げ犯の車やひき逃げの証拠が映っているはずだ。
───いや、待て。
あの薄情な運転手が果たして、任意提出の映像をすんなり渡すものだろうか?
そもそも後方にいただけの車を警察は探してくれるのか?
不安だ。だからこうしよう。
あの薄情な車の方をひき逃げ犯として通報してやる。
アイツだって、ひき逃げの冤罪をかけられれば無実を証明するために映像を見せるに違いない。
それで真のひき逃げ犯が捕まる、という寸法だ。
ひき逃げ犯の車を間違えて通報した件については、衝突のせいで見間違えた、という事で通るはずだ。
あとはあの車がドライブレコーダーを積んでいるかどうかだけ……。そこは賭け……!
「もしもし、たった今ひき逃げにあったのですが……」
簡易解説
ひき逃げ現場を目撃したはずなのに無関係を装った薄情な運転手はきっと、ドライブレコーダーの提出にも非協力的であるに違いないと考え、そっちを通報する事で提出に協力させようと考えた。