玉手箱は、竜宮城における秘密の道具である。
非常に長い時間のエネルギーが内部に込められており、
開ければ開けた人間の時間を50年進め老化させるというとんでもない代物だ。
ところがある日、偶然竜宮城を訪れたある男が、この玉手箱を欲しがった。
いったいなぜ?
転載元: 「玉手箱の有効活用」 作者: リュウキ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/202男の国では死刑制度が廃止されようとしていた。理由はいろいろあるが、最大の理由は
「例え犯罪者であろうと人が人を殺すことは人道的に認められない」というものだった。
そこで国の役人であるこの男は死刑に代わる新たな極刑としてこの玉手箱を利用しようとしたのだ。
その名も「玉手刑」。玉手箱を受刑者に開けさせれば、受刑者はたちまち50年老化する。
あとは受刑者が老衰するのを待てばいい。
死刑と同じく死をもって償うが、あくまで老衰だから直接殺しているわけではない。
画期的な刑罰であると男は考えたのだ。
竜宮城から大量の玉手箱を受け取った男は早速国の政治家たちに「玉手刑」を持ちかけた。
その結果取り入れられた「玉手刑」は、死刑に代わる極刑として瞬く間に国に広まった。
最も、「方法はどうあれ結果的に人が死ぬなら殺人と同じ」と
のちに「玉手刑」も批判の対象となるのだが、それはまた別の話。