君と見上げるホウキボシ

[ウミガメのスープ] [闇&常駐]

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「昨日のウミガメ彗星、キレイだったね」
「うん、本当に綺麗だった」

楽しそうに話すカメコに相槌を打ちながら、カメオは昨晩2人で見上げた星空を思い出した。

「次にウミガメ彗星が来るのは70年後だって昨日先生が言ってたね。長生きすれば、また2人で見られるかな」
「そうだね。きっと、見られるよ」
「じゃあ、約束しようか」
「うん、約束だ」

小指を立てて見せるカメコに向けて深く頷き、カメオはカメコの小指に自分の小指を重ねた。
だがこの時、カメオの頬は涙で濡れていた。

一体なぜカメオは涙を流したのだろう?
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以下のいずれかを満たした時に問題を終了致します。
①2018年12月31日になったとき
②未回答の質問が無い状態で48時間経過したとき


出題者:
出題時間: 2018年12月16日 8:50
解決時間: 2018年12月30日 15:00
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【正解】
昨晩一緒に見たはずの彗星をカメコが忘れてしまっていたから

【解説】
小学生の頃、君と2人で見上げたウミガメ彗星。
今でもよく覚えてる。
本当に綺麗で、嬉しくて、つい「70年後にまた2人で見よう」なんて約束をしたね。

あれから70年経った。
一緒に遊んで、喧嘩して、恋をして、結婚して、子供が出来て、孫が出来て。
本当にいろんなことがあったけど、君と一緒だったから幸せだった。
全部大切な想い出になった。

そんな折にやって来た、70年ぶりのウミガメ彗星。
君の喜ぶ顔が見たくて、少し無理をして君を丘の上まで連れて行った。
2人で見上げるウミガメ彗星は、やっぱり綺麗だった。
君も凄く喜んでくれた。
屈託の無い君の笑顔は70年前のあの夜と同じで、僕は幸せだった。

そして一晩明けた今日。

「昨日のウミガメ彗星、キレイだったね」

楽しそうに君が話す。
また新しい想い出が出来たようで、僕は嬉しかった。
だけど君と会話しているうちに気付いてしまった。
君の言うウミガメ彗星は、昨日のことではなく70年前のことだと。
君はもう昨日2人で見上げた彗星を忘れてしまっているのだと。

---認知症。

数年前から、君はいろんなことを忘れていくようになっていた。
楽しかったこと、苦しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったこと。
ゆっくりと、少しずつ忘れていった。
昔の記憶は残る一方で特に最近の記憶が無くなっていくみたいで、それに伴って君が子供返りすることも多くなってきた。
君が君でなくなっていくようで、僕はただただ悲しかった。

……だけど。
昨夜丘の上で君が見せてくれた笑顔は本物だった。
あの時感じた幸せは確かに存在していた。
もう新しい想い出を作ることは難しいかも知れないけど、せめて残りの人生、君と一緒の幸せな時間を増やしていきたい。

70年後。
次のウミガメ彗星が来る頃には、君も僕もこの世には居ないだろう。
だけど天国があるのなら、そこでまた君と一緒にウミガメ彗星を見よう。

そう心に誓って、僕は君と指切りをした。


出題者:
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パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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Cindy