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【終わりますか?オマージュ】きのこ危機一髪

[ウミガメのスープ]

「もう駄目だぁ・・・おしまいだぁ・・・。」
頭を抱えて絶望する男の前には、お皿に乗った一本のきのこ。
いったい、なぜこのような状況になってしまったのか、明らかにしてほしい。




No.11 ZENOさんの問題文です。


出題者:
出題時間: 2020年12月18日 22:17
解決時間: 2020年12月18日 22:37
© 2020 名無し編集者 作者から明示的に許可をもらわない限り、あなたはこの問題を複製・転載・改変することはできません。
転載元: 「【終わりますか?オマージュ】きのこ危機一髪」 作者: 名無し編集者 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5238
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川に落としたきのこを拾おうとした男が、河童を怒らせてしまったから。

きのこ狩りで道に迷い、川岸の岩に腰かけ途方に暮れている男。
日は傾き、巣に帰る鳥達の声が騒がしい。

「仕方ねえだ。ここらで野宿だな。」

まずは空腹をしのごうと、取ってきたきのこを籠から取り出したところ、うっかり手をすべらせて川に落としてしまった。

「あんれ!待ってけれ!もったいねえ!」

男は慌てて立ち上がり、流れていくきのこを追いかけた。

まもなく男は、川が大きく曲がった場所に差し掛かった。
深い緑の水をたたえた淵。
きのこは、ゆっくりと円を描き、たゆたっている。

「良かった。あれなら何とか取れそうだべ。」

男は近くの樹からむりやり枝をもぎ取り、きのこをたぐり寄せようとした。

「それ!こっちゃ来い!」

ところが、どうやらきのこのすぐそばに何かが沈んでいるらしい。
きのこは途中まで近づいたが、あとは枝が何かを引っ掻くだけで、さっぱり寄ってこない。

「邪魔なもんがあるだね。どうしたもんかな?」

突然、何かの指が枝をつかみ、ぐいっと引っ張った。
男は咄嗟のことに枝を手放す暇もなく、淵に落ちてしまった。

「うわー!・・・助け・・・誰か・・・」

もがく男は、手に触れた丸い何かに夢中でしがみついた。
何やらもさもさと水草のような物が丸く生え、その内側に溜まった水に、男が落としたきのこが横たわっている。

「げほげほ・・・やれ、助かっただよ。」

しかし、男がしがみついた物はぐらりと揺れ、男はもう一度悲鳴を上げた。

「うえ!? こ・・・これは!?」

振り落されまいとしっかり抱え込んだ物は、河童の頭だった。
水草と見えたのは皿の周りの毛で、怒りに燃えた目玉が二つ、男の胸元から上目遣いで睨みつけている。

さっきから枝でつつきまくったのはこれかと気が付いた男には、もう三度目の悲鳴を上げる力は残されていなかった。

「もう駄目だぁ・・・おしまいだぁ・・・。」


出題者:
参加するには または してください
パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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Cindy