魔物の劇毒で死にかけていたアルバートは、白いカラスに命を救われた。
飛び去ろうとするカラスを呼び止め、せめてもの礼にと、宝石が煌く綺麗な腕輪を差し出した。
白いカラスは、やはり光り物を好む習性があるのか、ひょいと腕輪を啄み、森の中へ飛んで行った。
飛び去る姿は一筋の光のようだった。
白いカラスに恩義を感じる一方で、アルバートにはある疑問が浮かんだ。
このあたりは魔素の影響で、棲息する動物は例外なく黒く染まり、魔物と化しているはずだ。
突然変異体であったとしても、なぜ私の命を救ったのだろうか?
あの白いカラスは、伝承の神の化身、あるいは神の使いなのだろうか?
後日、回復したアルバートは手がかりを求めて、白いカラスが飛んで行った森を探索した。
その森の中で1匹の白猫に出会ったことで、アルバートの疑問は解消された。
一体、どういうことだろう?
Q6 kUmaさんの問題文のオマージュです。
*魔物(モンスター)が登場する世界設定です。
*主にファンタジーに分類される要素が登場します。
転載元: 「【黒ますか?オマージュ】捧げて求めよ其の煌き」 作者: メロトロン (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7994
白いカラスに捧げた腕輪と、白猫の首輪が同じであった為、アルバートは白いカラスと白猫が同一の存在であることを直感で理解した。その後、魔女が正体を明かしたので、白いカラスは魔女の変身した姿であったことを知った。
その森には魔女が住んでいる。
魔女は、魔法の力により、以下のような動物に変身できる。
魔法を使うためにはいくつかの制約があり、気軽に使えるわけではないのだが、あるとき、白いカラスに変身してアルバートの命を救った。
動物に変身中は、その動物が本来持つ気質に精神が影響される。
カラスの状態で宝石が煌く綺麗な腕輪を差し出された魔女は、本能的に腕輪を啄み、家に持ち帰ってしまった。
変身が解けてから、腕輪を持ち帰ったことを後悔した。
腕輪が欲しくて命を救ったわけではなかったからだ。
しかしながら、捧げられた腕輪を無下に扱うわけにもいかず、機会があれば返却しようと思い、家に飾っておくことにした。
アルバートが森を探索しているとき、魔女は白猫に変身していた。
白猫の状態で腕輪を目にした魔女は、本能的に着飾ろうとする意識が増幅され、綺麗な腕輪を首輪として身に着けていた。
そして、アルバートは森の中で白猫と出会った。
アルバートは、あのとき白いカラスに捧げた腕輪と、白猫の首輪が同じであることに気が付いた。
同時に、あのときの白いカラスと目の前にいる白猫が同じ存在であることを、直感で理解し、跪いて感謝の意を表した。
その後、魔女が正体を明かしたので、白いカラスは神の化身ではなく、魔女の変身した姿であったことを知った。
ちなみに、魔女がアルバートの命を救った理由は、「好みのタイプ」だったかららしい。
*魔女の変身可能な動物は、gattabiancaさんの下記問題の解説より設定をお借りしています。(御本人許可済)
【黒ますか?オマージュ】like a bird set free
https://www.cindythink.com/puzzle/7972