爪や髪

世界中にとある感染症が広がり、A国では人口の1割が亡くなるという大惨事が起こった。
しかし世界中の人々は「A国の人間は幸運だ」と思った。
いったい何故？

A国でそのウイルスに感染して亡くなった患者は9割9分以上が抵抗力の落ちた高齢者や持病のある人間だった。
結果、彼らが死んだことで医療費や社会保障費といった類の支出が大幅に軽減され、傾いていたその国の財政が持ち直した。持ち直してしまった。
（ちなみに税収は死亡したのは働いていない人間がほとんどだったため誤差の範囲内程度の微減だった）
それを知った自国の経済に悩む世界中の人々が口には出さないものの内心羨んだ。

次第に隅に追いやられて切り捨てられるもの（人たち）というイメージで付けたタイトルだったり(;´･ω･)