
落とし物と思しきものが、歩道の木の枝や柵に引っ掛けられていたり、植え込みの上などに置かれているのを見たことがある人は、多いのではないかと思う。
踏まれて汚れたり破損したりしないように、また落とした人の目に留まりやすいようにといった配慮から、親切な人がそこに置いたのであろう。
ある日、女は、落とし物と思われるものが木の枝に引っ掛けられてるのを見かけた。
すると、それをわざわざ木の枝から外して地面に置いた。
女は決して意地悪ではなく、むしろ思いやりのあるタイプなのだが、なぜそんな行動を取ったのだろう?
*5月10日(日)23時ごろまでとします。
転載元: 「crumpled-up piece of paper lyin' here」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10842
*持ち主が子どもだと思われるものだったから、子どもの目に留まりやすい場所に移した。
(あれ、この手袋…)
ファッショニスタカメコは、手袋が片方木の枝に引っ掛けられているのを見た。
たぶん、汚れたりしないようにとか、目立つようにとか、そういう配慮なんだろう。
でも。
この可愛らしい、うさぎのキャラクターのついた手袋は、明らかに大人のものではない。
サイズからして、息子のカイと同じ、5歳児ぐらいのものだろう。
ここは、保育園の近くだから、子どもが落とした可能性は高い。
親が見つける、って可能性もあるけど、やっぱり子どもが自分で探し回ることもあるだろう。
だとすると、この木の枝じゃ目線が届かない。
そう思ったカメコは、汚れないように木の下にハンカチを敷いて、その上に手袋を置いた。
「あーーーーママ!!!」
保育園に行くと、いつも通りカイが飛び出してきた。
「保育園、どうだった?」
「あのね、ママ」
「?」
「今日、レンカちゃんが、手袋落として一日中元気なかったの。」
「!」
ふと、後ろを見ると、べそをかきながら歩いているレンカちゃんの姿が目に留まった。
「くすん💧…『にくしょくうさぎメルルちゃん』の手袋…気に入ってたのに」
あれだな。
取りに行こうと思ったカメコは、ふと思い直した。
自慢の長い美脚を曲げて、後ろから膝で軽くカイの背中を小突く。
「いたっ どうしたのママ?」
カメコはクイっと顎で木の方を指し示した。
そして、目で語った。「拾ってきて、お前が渡せ」と。
「あーレンカちゃんこれじゃない?」
「それ〜〜!!!メルルちゃんの手袋、うれしい!!」
「だよね!いつも着けてるの見てたから、これかな、って思った!」
「カイくん…そんなところまで見てくれてたんだぁ…ありがとう!」
(おいおいおい 私の指示は「拾ってきて渡せ」だけだぞ。なんだよ、「いつも見てた」って。そんな殺傷能力高いセリフ、わずか5年の人生のどこで身につけたんだろう…)